プログラミングスクール

職業訓練校でプログラミングを学ぶメリット・デメリットを解説します

職業訓練でプログラミング学習をしたいけど、職業訓練校で学ぶべきか分からない…。」と悩んでいる方も多いと思います。

この記事では、職業訓練のプログラミングコースを利用するメリット・デメリットなどを解説していきます。

 

職業訓練のプログラミングコースとは?

職業訓練のプログラミングコースとは、プログラミングについて学習を進め、求職中の方をスムーズに就職させることを目的とした制度です。

訓練期間は平均3〜6ヶ月間、学習内容は「実技」・「学科」の二つとなります。それぞれの学習内容は以下の通りです。

ポイント

  • 実技:Webサイトやシステムの設計に関するプログラミングスキルを習得する。プログラミングコースの中でも、70〜90%の学習時間を使います。
  • 学科:プログラミングに関する基礎知識や言語の概要を習得する。履歴書の書き方なども学習するため、全体の10〜30%ほど学習時間を使います。

プログラミング学習は経験が最も重要となるため、学科ではなく実技に力を入れるケースが多いです。

ただし、職業訓練となるため、民間のプログラミングスクールとは違い、履歴書の書き方や面接練習なども行います。

そもそも職業訓練とは

「職業訓練プログラミングコースに申込したいけど、そもそも職業訓練ってどういう制度?」という方向けに解説していきます。

職業訓練とは、国や自治体が運営している公的な就職支援制度のことです。

一般的に就職を行う場合、現時点のスキルや知識・学歴を活かして活動する必要があります。

しかし、転職を考えている方の中には、スキルや知識に不安を感じている場合も多いでしょう。

職業訓練はこのような方に向けて作られた制度となるため、就職の意思がある場合は基本的に誰でも申し込むことができ、

基本的に無料で講座を受講できます。

ただし、教材や受講するコースによっては費用が発生するケースがあります。

ハローワークの申し込み手続きや書類選考・面接の通貨が求められるため、受講する際はあらかじめ準備が必要です。

また、職業訓練は以下2つの種類に分けられます。

・公共職業訓練
・求職者支援訓練

それでは、違いについて解説していきます。

公共職業訓練

公共職業訓練とは、失業保険を受給している人(雇用保険受給資格者)で、求職活動を行う方を対象にした制度です。

離職者訓練とも呼ばれており、以下2つを条件に当てはまる雇用条件で働いていた場合は、公共職業訓練を受講する資格があります。

ポイント

・所定労働時間が週20時間以上
・見込みの雇用期間が30日以上

訓練期間は3ヶ月〜2年間・受講費用は基本無料、「通所手当」や「失業保険の延長」など、各種手当を受けられる可能性があります。また、ハローワークに求職の申込をし、公共職業安定所長の受講指示又は受講推薦が得られている状態が必要です。

求職者支援訓練

求職者支援訓練とは、失業保険を受給していない人(非雇用保険受給資格者)で、休職中の方を対象にした制度です。

ハローワークトレーニングとも呼ばれており、失業保険を受給しながら受講はできませんが、早期就職を目指して無料の職業訓練と10万円の給付を受けられます。

職業訓練プログラミングコースは、基本的に求職者支援訓練に分類されます。

また、求職者支援訓練は大きく分けて以下2つに分かれており、求職者の状況やこれまでのキャリアに合わせて選択可能です。

ポイント

・基礎コース:社会人経験が全くない方向け
・実践コース:社会人経験があり、特定分野・専門知識を身につけて就職を目指す方向け

訓練期間は3カ月~6カ月で公共職業訓練よりも短めに設定されていますが、プログラミングをはじめとする、実用的なスキルを身につけられます。

職業訓練プログラミングコースの学習科目

職業訓練プログラミングコースの学習項目は、以下の通りです。

ポイント

  • セキュリティ、エンジニア
  • Webサイト制作
  • Javaシステム
  • ITビジネスエキスパート
  • ネットワーク・サーバ構築
  • AWS・クラウドエンジニア

このように様々な種類の学習項目が存在しており、選択するコースによって内容は異なります。

また、職業訓練プログラミングコースを選ぶ際は、ハローワーク職員の言われるがままに選択するのは控えましょう。

職業訓練を受講する際、必ずハローワークで手続きや面談を行う必要があります。

その際に特定のプログラミングコースを進められることがあります。

ハローワーク職員はプログラミングに関する知識やスキルがないケースが多いです。

例えば、プログラムを書いたことがないにもかかわらず「あなたにはAWS・クラウドエンジニアコースがおすすめです」と言われることになるため、結果的に自分自身が最も必要な知識・スキルを得られない可能性があります。

そのため、自身が希望する転職先・業界に必要なスキルを考えた上で、受講するプログラミングコースは選択しましょう。

Web制作コースの人気が高い

職業訓練プログラミングコースの中でも特に「Web制作コース」は人気が高いです。

Webサイト制作コースは、サイト制作の一環としてWebデザインやhtml・cssなど、基礎的な知識も学べます。

年々Webデザイナーやエンジニアの需要が高まっているため、年収や勤務待遇の向上が見込めます。

また、PCとインターネット環境・スキルさえあれば、リモートワークやフリーランスとして活動もしやすいことから、Web制作コースは注目されています。

Web制作コースで学習・習得できるスキルは以下の通りです。

ポイント

・HTML5
・CSS3
・Adobe関連ソフト
・JavaScript
・PHP

上記スキルを身につけることで、Web制作会社やデザイン会社へ就職が可能になります。

職業訓練プログラミングコースを利用するメリット

職業訓練プログラミングコースを利用することで、様々なメリットを得られます。

これらのメリットを把握しておくことで、安心してプログラミング学習を進められるでしょう。

基礎から学習を進められる

職業訓練プログラミングコースは、どのコースを受講したとしても基礎から学習を進められます。

PCの簡単な使い方から、html・css・言語の意味など、プログラミングに必要な知識を得られます。

そのため、IT企業で勤めたことがない場合でも、確実にプログラミングスキルを身につけられるでしょう。

自宅にいながらプログラミングを学べる

職業訓練プログラミングコースは、基本的に自宅にいながら学習を進めます。

現地で受講することもできますが、自宅からリモートで学習が可能です。

不明な部分に関しては連絡を取ることで、質問して理解もできるでしょう。

また、訓練校の授業は9時〜17時までとなるため、自宅にいたまま受講することで、自己学習の時間を確保しやすいです。

パートアルバイトなど他の仕事は禁止されているため、授業後はしっかりとプログラミング学習を進められるでしょう。

失業保険の手続きを代行してもらえる

職業訓練では、本来受給者が行う必要のある失業保険に関する手続きを代行してもらえます。

通常失業保険を受け取る際は「月に一度、失業認定日にハローワークへ通う」「ハローワーク職員に就職活動の状況を報告」などが必要です。

しかし、職業訓練を受講している場合、上記のような手続きを行うことなく失業保険を受給できます。

手続きを減らすことで、プログラミング学習に集中できるでしょう。

失業手当の受給期間が延長することがある

職業訓練を受講することで、失業保険の受給期間を訓練終了まで延長できるケースがあります。

失業保険受給のペースは以下の通りです。

・会社都合退職の場合:すぐに支給
・自己都合退職の場合:失業認定から3ヶ月後に支給

職業訓練を受講することで、受給期間が延長されるだけではなく、支給ペースが会社都合退職と同じになります。

つまり、すぐに失業保険を受け取れます。そのため、金銭面も安心して職業訓練の授業を受けられるでしょう。

場合によっては受講手当を受け取れる

職業訓練を受講していると、場合によっては受講手当を受け取れるケースがあります。

条件を満たすことで「職業訓練受講給付金」と「通所手当」を受け取れます。

職業訓練受講給付金は10万円、通所手当は、職業訓練校までの交通費です。

各種手当の受け取りも可能

職業訓練受講することで、給付金や通所手当以外にも受講料無料、受講手当が受け取れます。

受講手当は日額500円で、最大40日分、合計2万円が支給されます。

また、通所手当に関しては上限が1ヶ月あたり4万2,500円、距離によって支給が変動するため注意しましょう。

職業訓練プログラミングコースを利用するデメリット

職業訓練プログラミングコースの利用はメリットだけではありません。

デメリットも存在するため、内容を把握することで最適な行動が可能です。

民間に比べるとサポートが充実していない

職業訓練プログラミングコースは、民間のプログラミングスクールに比べるとサポートが充実していません。

プログラミングに関する知識・スキルの獲得はできますが、カリキュラムに含まれていない内容は、自主学習が求められます。

一方、民間のプログラミングスクールは、費用を支払ってカリキュラムを受講しているため、利用者に合わせた最適なサポートが実施されます。カリキュラムに含まれない内容に関しても、質問すれば回答してくれることも多いです。

そのため、手厚いサポートでプログラミング学習を進めたい場合、職業訓練プログラミングコースはデメリットと言えるでしょう。

給付金の受給要件が難しい

前述の通り、職業訓練を受講することで、「職業訓練受講給付金」と「通所手当」など各種手当を受け取れます。給付金を受け取るには、以下条件を満たす必要があります。

注意ポイント

・本人収入が月8万円以下
・世帯全体の収入が月25万円(年収300万円)以下
・世帯全体の金融資産が300万円以下
・現在住んでいる所以外に土地・建物を所有していない
・訓練実施日に全て出席(やむを得ない理由がある場合でも、支給申請の対象となる訓練期間の8割以上出席している)
・同世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない
・過去3年以内に、偽りその他の不正の行為により、特定の給付金の支給をうけたことがない

このように、給付金の受給条件が難しく、内容を満たすために日々努力が必要です。

引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyushokusha_shien/index.html

転職の難易度が高い

職業訓練プログラミングコースでプログラミングスキルを身につけた場合でも、一般と同じ状況で転職活動が求められます。

さらに、職業訓練の受講から転職までに時間がかかることも要因の一つです。

職業訓練の選考から受講開始・コース終了まで、長ければ2年以上かかることがあります。

そのため、社会人経験がある方でも転職まで期間が空いてしまうため、スピード感のあるチェン色は難しいと言えるでしょう。

ブラック企業の求人が多い

訓練校から転職を実施する場合、 ハローワークの求人から応募するためブラック企業が多い傾向にあります。

ハローワークにブラック企業の求人が多い理由は以下の通りです。

注意ポイント

・求人掲載料が無料
・採用後にお金を取得できる
・ハローワーク側の要望で条件が変動する

ハローワーク求人は広告費が全くかからないため、資金にゆとりがない場合や業績が安定していない企業でも求人件際が可能です。

そのため、ブラック求人に注意しながら転職活動を行いましょう。

金銭面で生活が苦しくなる

職業訓練プログラミングコースは、失業保険や給付金を受け取りながら受講できます。

しかし、失業保険は前職の給与の2/3の額しか支給されず、給付金に関しては支給難易度が高く、アルバイトで収入を得た日に関しては失業手当や給付金を得ることができません。

前職を退職した原因が給与面にある場合、金銭面の原因で生活が苦しくなるでしょう。

そのため、ある程度の貯金を行なった上で、職業訓練プログラミングコースを受講する必要があります。

必ず希望のコースを受講できるわけではない

職業訓練プログラミングコースは、必ず自身が希望するコースを受講できるわけではありません。

Web制作コースを希望していても、定員数を超えている場合や面接に通過しないと、別コースを受講する必要があります。

また、受講するコースによって学ぶ内容はもちろんのこと、講師やレベルが異なるため、この部分を考慮した上で受講しましょう。

IT関連企業へ必ず就職できるわけではない

希望の職業訓練プログラミングコースを受講した場合でも、IT関連企業へ必ず就職できるわけではありません。

職業訓練には就職保証や就職支援が付帯していないため、就職活動自体は自身で行う必要があります。

もちろんハローワークが掲載する求人から就職は可能ですが、通常通り書類選考・面接が行われます。

ただし、職業訓練で得た知識・スキルは実務経験として扱われないため、経験者と比べると劣ってしまうでしょう。

そのため、職業訓練以外にも自己学習を行い、ポートフォリオを作成していくことが重要です。

実務経験がないとプログラマーとして採用されない

こちらは職業訓練校に通ったけれどもプログラマーにはなれなかった、という体験談です。


職業訓練校を卒業して就職活動をしたものの、実務経験がある人の募集ばかりが並んでいます。
結局はアルバイト先で正社員登用を前提の就業を選びました。
また、6ヶ月間職業訓練校で学んだことは、レベルの低い技術だったようです。
プログラマーにはなれず、現在はWebの記事を書いています。

職業訓練校で学んだことは、身に付いたもののレベルが低く、実務向きではなかったようです。

更に、実務経験がなければ就職がしにくいのです。

お金を払ってプログラミングスクールで学ぶ方が、後々の給料を考えると悪い話ではないのでしょう。

職業訓練でプログラミングを学んでいる受講者の口コミ

実際に、職業訓練でプログラミングを学んでいる受講者の、Twitterに寄せられた口コミをまとめてみました。ユーザーのリアルな声が気になる方はぜひ参考にしてみてください。

素早く確実に転職を目指すなら民間スクールがおすすめ

例えば、職業訓練でエンジニアとしてのスキルを身につけて転職を目指すのであれば、

前述の「Web制作コース」を受講することになるのですが、応募倍率は2倍を超えているので確実に受講できるわけではありません。

また、受講できたとしてもそこから数ヶ月間は失業保険のみで生活しなければならず、

転職活動ができるのは受講後になるため、新しい職に就けるまでかなりのタイムラグがあります。

一方で、民間のプログラミングスクールであれば、最短3ヶ月の転職支援付きのプログラムもあり、

転職できなければ受講料を全額返金してもらえるスクールも多いです。

ぜひ、下記の記事も参考にしてみてください!

IT未経験転職者向けプログラミングスクール厳選5選

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